はじめに…
メタボはお腹のでっぱり具合でわかる?
メタボリックシンドロームという言葉を最近よく耳にします。(通称メタボ。和名は内臓脂肪症候群。)
しかし、具体的にどんな状態がメタボリックシンドロームなのかを明確に答えられる人は意外と少ないかもしれません。「ここのところ太ってきて、腹もでっぱってきたから、僕はメタボかもしれない……」と、思っている人が大半ではないでしょうか。
今までよりチョットばかり太ったり、お腹がぽっこりしてきたりしても、すぐにメタボリックシンドロームを心配する必要はありません。中高年になれば誰でも10代や20代のころより、ふっくらとしてくるのは自然のことです。
ただし、「オヘソを中心としたウエスト」をメジャーで測ったとき、男性なら85センチ以上、女性なら90センチ以上あるような太りかたをしている場合は、メタボリックシンドロームの疑いは大いにあります。ウエストを計測した上で、さらに病院で血液と血圧の検査をしてみなければ、あなたがメタボリックシンドロームかどうかはわからないのです。
血液・血圧検査をしなければメタボはわからない
病院では、1 血糖値、2 中性脂肪値(トリグリセライド)、3 HDLコレステロール値、4 最高(収縮期)血圧と最低(拡張期)血圧を検査してもらいましょう。この1〜4 の数値がメタボリックシンドロームかどうかを把握するのに必要な条件です。
「オヘソを中心としたウエスト」のサイズが男性85センチ以上、女性90センチ以上。これに加えて、以下の数値に2つ以上当てはまった場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
1 血糖値 空腹時血糖値が110mg/dL以上
2 中性脂肪値 150mg/dL以上
3 HDLコレステロール値 40mg/dL未満
4 最高(収縮期)血圧 130mmHg以上、最低(拡張期)血圧 85mmHg以上
これらの数値を見ると、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病であるか否かがわかります。つまり、お腹ぽっこり肥満プラス、糖尿病、高脂血症、高血圧などの危険因子を複数持っている人のことを、メタボリックシンドロームと呼ぶわけです。
お腹ぽっこり肥満と生活習慣病の合併が怖い
ではなぜ、お腹ぽっこり肥満と、糖尿病、高脂血症、高血圧などを同時に持っている人のことを、わざわざメタボリックシンドロームと呼んで分類するのでしょう?
実は、糖尿病、高脂血症、高血圧などは、それぞれの病気が別々に進行するわけではないからです。お腹(内臓)に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が、これらの病気をひきおこしている可能性が高いのです。
もう少し詳しく説明すると、お腹がぽっこりと目立つほど内臓に脂肪がついてしまうと、この脂肪から分泌される様々な「生理活性物質(アディポサイトカイン)」に異常が生じ、その結果として血圧が上昇したり、中性脂肪が増えたり、善玉コレステロールが減ったり、血糖値を下げるインスリンの調整がうまくできなくなったりします。すると、糖尿病、高脂血症、高血圧などを併発しやすくなるわけです。
怖いのは、「血糖値がやや高い」とか「血圧がちょっと高い」といった、まだ病気とはいえない軽い状態でも、お腹ぽっこり肥満と合併することで、動脈硬化、心臓病、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)が急速に進行するということです。
心臓病の発症リスクだけを見ても、メタボリックシンドロームでない人と比べて、1つ危険因子を持っていると約5倍、2つ持っていると約10倍、3〜4つ持っていると31倍にも跳ね上がります(厚生労働省調べ)。
お腹ぽっこり肥満と糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病は偶然に重なったわけではありません。だからこそ、早期に危険を回避できるよう、わざわざメタボリックシンドロームと呼んで警鐘を鳴らしているのです。
