内臓脂肪が増える理由 4
タバコを吸っている
タバコを吸っている人のメタボリックシンドロームになる可能性は、吸っていない人と比べて1.2倍も高くなります。この倍率は、1日に吸う本数が増えるほど上がっていきます。
その理由は、タバコに含まれるニコチンが中性脂肪を作りだす遊離脂肪酸を増やす作用があるから(中性脂肪とは内臓脂肪や皮下脂肪を作りだす元となるもの)。増えた遊離脂肪酸を原料にして、肝臓は中性脂肪やコレステロールを大量に合成して血液中に放出するため、血液中の脂肪分が増加して高脂血症や動脈硬化になりやすくなるのです。同時にニコチンは血液中のコレステロールの酸化を促進し、LDL悪玉コレステロールを増やし、HDL善玉コレステロールを減らしてしまいます。
さらに、タバコを吸うと交感神経が刺激されて血圧を上げるホルモンの分泌が増えたり、心拍数が上がり心臓に負担がかかったりします。つまり、タバコを吸うと内臓脂肪が増えやすくなるだけでなく、生活習慣病になる可能性も高くなるわけです。
悲しいことに、1日に20本以上タバコを吸っていた人が禁煙しても、禁煙後20年間はメタボリックシンドロームになる危険性は変わりません。40本以上吸っている人ならそれ以上。20本以下なら非喫煙者と同等です。喫煙習慣がある人は、できるだけ早い時期に禁煙を考えたほうがいいのです。
しかし、タバコをやめると太る人が多いというのも現実です。禁煙すると口寂しいために過食してしまったり、味覚が敏感になり食べ物が美味しく感じて食べ過ぎてしまったりします。つまり、内臓脂肪を減らすためのダイエットと禁煙は、同時進行しにくいということ。やはり、禁煙だけでも早期に始めるべきなのです。
運動する時間もヤル気もない
「仕事が忙しくて運動するヒマがない」とか「今日も500歩くらいしか歩かなかった」などの体験を持っている人はかなり多いと思います。交通機関の発達で長距離を歩く必要もほとんどなく、一日中パソコンの前にいたり、アウトドアよりインドアのほう好みだったり、とにかくスポーツが嫌いだったり。理由は様々ですが、とにかく自ら率先して運動をしようと決意しない限り、体を動かすチャンスが少ないのが現状でしょう。
しかし、運動不足が続くと食事から得たエネルギーが消費しきれず、内臓脂肪や皮下脂肪になってしまいます。特に内臓脂肪のほうは、体を動かさないと筋肉が使われず代謝が悪くなるため、皮下脂肪よりも簡単に蓄積されがち。つまり運動しないと、メタボリックシンドロームに影響する内臓脂肪が着実に増えるわけです。
ところが、ちょっとでも運動をすると苦もなく落とすことができるのが内臓脂肪の特徴でもあります。それは内臓脂肪が蓄えられている腸間膜にはたくさんの血管があるから。一方、皮下脂肪周辺にはわずかに毛細血管がある程度。ということは、運動によって中性脂肪を分解するホルモンや酵素が活発になると、内臓脂肪のほうが分解されやすいということになります。そのため、内臓脂肪を普通預金、皮下脂肪を定期預金に例えることがよくあります。
内臓脂肪を減らす効果的な運動はそれほどキツイものではありません。日常生活の中で少しだけ体を動かす工夫をするだけです。運動が苦手な人でも失敗は少ないはずですから、ぜひチャレンジしてみてください。
