4 その他(動脈硬化性疾患、脂肪肝)
メタボで一番怖い動脈硬化性疾患
お腹がでっぱる内臓脂肪型肥満を含めたメタボリックシンドロームが引き起こすもので、もっとも怖いのが動脈硬化性疾患です。動脈硬化性疾患の代表的なものは、心臓では狭心症と心筋梗塞、脳では脳出血と脳梗塞、足では閉塞性動脈硬化症などがあります。これらの病気になると、ほとんどのケースで命を落とすか重い後遺症が残ります。
動脈硬化性疾患は、動脈(血管の名称)の弾力が失われて硬くなり、血液がその先の臓器や細胞まで届かなくなる病気。自覚症状がなかなかあらわれず、あらわれたときには病状がかなり進行しているのが特徴です。その理由は、動脈硬化を起こした血管の変わりにバイパスとなる血管があったり、血管が枝分かれしていたりするため、障害される範囲が狭くなるからです。また、血管自体の空間面積が30%未満になり、血液の流れが悪くならないと症状があらわれないのも自覚症状が出にくい理由のひとつといえます。
もしも、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病の3つを抱えていると、健康な人に比べて20年も血管の動脈硬化は進行しているといわれています。これら3つの疾患にならないよう心がけることはもちろんですが、日常的に運動をしている人はバイパス血管が発達しているため、たとえ動脈硬化性疾患になったとしても症状が軽くて済むということを覚えておきましょう。
脂肪肝は内臓脂肪と糖尿病が原因だった
内臓脂肪、糖尿病(高血糖、インスリン抵抗性)が密接にからみあって脂肪肝を引き起こすことから、脂肪肝もメタボリックシンドロームが関係しているといえます。
脂肪肝の初期症状はほとんどありませんが、悪化すると体がだるい、疲れやすい、食欲がないなど肝臓病と同じような症状があらわれます。脂肪肝を放置すると、慢性肝炎から肝硬変や肝臓ガンへ進行してしまう危険性もあります。
内臓脂肪が脂肪肝になるメカニズムを知るには、まず健康な人の脂肪細胞がどのように働いているのか簡単に見てみましょう。健康な人の体の脂肪細胞からは毎日のように遊離脂肪酸が放出されており、肝臓で中性脂肪に変換された後、VLDLという超低比重リポたんぱくの働きによって血液中に送りだされています。つまり、中性脂肪も遊離脂肪酸も適量であるためエネルギー源として有効に働いているのです。
しかし、内臓脂肪が過剰でお腹がでっぱっている人は、脂肪細胞から処理しきれないほど大量に遊離脂肪酸が肝臓に流れこみます。すると、中性脂肪を血液に送り出すVLDLの合成が間に合わなくなり、肝臓に大量の中性脂肪が残ってしまう結果となるのです。この状態が脂肪肝の原因なのは簡単な理屈でしょう。ちなみに、健康な人の肝臓には平均3〜5%の中性脂肪がありますが、脂肪肝の人の肝臓には30%以上も中性脂肪が蓄積されています。
脂肪肝になるもうひとつの原因は糖尿病です。糖尿病の人は血糖値が高いためにインスリン抵抗性に陥り、ブドウ糖の処理がうまくできません。当然、血液中には糖があふれ、肝臓にも糖が送られます。肝臓では前述のとおり糖は中性脂肪に変換されますが、やはり過剰になれば肝臓に中性脂肪として蓄積され脂肪肝となります。
このように脂肪肝は、内臓脂肪と糖尿病が原因で起こるのですが、それ以外にも動物性脂質の多い食事、過度の飲酒、無理なダイエットでも脂肪肝になります。
