脂肪はどうやって食べればいい?
脂肪は生きていくために必要な栄養素
ダイエットをする際、炭水化物を敵視する人もいれば、「脂肪は一切摂らない!」と、頑張る人もいます。ここでいう脂肪とは、肉や魚に含まれる動物性脂肪、調理用オイルやバターなどのこと。
しかし、炭水化物と同様、脂肪も人間が生きていくうえで必要な栄養素のひとつですから、「とにかく、どんな脂肪も絶対に食べない!」といったダイエットをすると、かえって太ってしまいます。食事全体の25〜30%は脂肪で摂るのが理想的なのです。とはいえ、脂肪は1gあたり9calもあり、炭水化物やたんぱく質が1gで4calなのに比べて高カロリーなのも事実ですから、避けたい気持ちになるのもうなずけます。
脂肪の摂取方法は、炭水化物と違って一度覚えてしまえば「わかりやすく」て「続けやすい」特徴があります。簡単に分類するなら、「絶対に食べてはいけない変性脂肪」「控え目にしたほうがいい飽和脂肪」「食べたほうがいい一価不飽和脂肪」「積極的に食べるべき多価不飽和脂肪」の4つにわけられますので、次項から解説していきましょう。
絶対に食べてはいけない変性脂肪
本来、禁止食を設けるダイエットは続けにくいのでおすすめできないのですが、脂肪については特例があります。それは、「変性脂肪」と呼ばれる植物油に水素を添加して作られた人工的な脂肪です。この変性脂肪は非常に酸化しにくいため、変性脂肪を使って作られた食品は不自然なほど寿命が長い特徴があります。
変性脂肪を加工する過程で「トランス脂肪酸(狂った脂肪酸)」というものができるのですが、このトランス脂肪はガンや心臓病の原因になったり、悪玉コレステロールを増やしたり、善玉コレステロールを減らしたりします。変性脂肪には、使い古して真っ黒になった天ぷら油の何倍もトランス脂肪が入っていると言えば、その不気味さがわかるはずです。
マーガリンやショートニングは水素添加して作られた代表的な製品なので食べないようにするのは簡単ですが、他にもポテトチップス、クッキー、パン、ドーナツ、マヨネーズなどあらゆる食品にも変性脂肪が含まれている可能性があります。マーガリンやショートニングを使用してつくられたものはもちろんですが、消費期限や賞味期限が長いものも怪しいと見ていいでしょう。ただし、最近は変性脂肪を使わずに商品化しているメーカーも多いので、気になる場合は各メーカーに問い合わせてみてください。
控え目にしたほうがいい飽和脂肪
飽和脂肪を多く含む食品は牛肉、豚肉、皮付き鶏肉、ラム肉、ベーコン、バター、ラード、ココナッツ油、パーム油、アボガドなどで、これらの食品は全脂肪摂取の1/3以下におさえ、控え目にして食べたほうがいい脂肪です。
赤味肉を少し食べれば1日の必要量は満たされてしまいます。バター、ベーコン、鳥肉の皮、肉の脂はできるだけ避けながら、適度に食べるようにしましょう。食べ過ぎると、中性脂肪やコレステロールが増え、お腹がでっぱるメタボリックシンドロームの原因ともなりますが、体の機能を維持するためにはなくてはならない脂肪のひとつです。
食べたほうがいい一価不飽和脂肪
一価不飽和脂肪を多く含む食品は、オリーブオイル、アーモンドオイル、オリーブ、アーモンド、ゴマ、かぼちゃの種、カシューナッツ、ピスタチオ、マカデミアナッツ、松の実などで、これらの食品は全脂肪摂取の1/3程度は食べたい脂肪です。心臓病のリスクを軽減し、HDL善玉コレステロール値の維持に役立ち、腸の蠕動運動を高めます。
ピーナッツやピーナッツオイルにも一価不飽和脂肪は多く含まれていますが、カビに由来される毒素に犯されている危険性が高いため、信頼できるもの選ぶようにしましょう。
積極的に食べるべき多価不飽和脂肪
多価不飽和脂肪は全脂肪摂取の1/3以上は食べたい脂肪です。多可不飽和脂肪にはオメガ3系(αリノレン酸、EPA、DHA)と、オメガ6系(リノール酸)があります。
オメガ3系を多く含む食品は、フラックスシードオイル(亜麻仁油)、フラックスシード、クルミ、クルミオイル、大豆、インゲン豆、イワシ、サバ、ニシン、銀ダラ、サケ、マグロ、すじこ、はまちなど。オメガ6系を多く含む食品は、ブラジルナッツ、かぼちゃの種、ゴマ、ゴマ油、コーン油、ベニバナ油、ヒマワリ油、大豆油など。
多価不飽和脂肪は体内で合成できない必須脂肪酸であるため、食品から摂らなければなりません。オメガ6系の1/4をオメガ3系で摂取するのが理想的で、この比率が崩れると免疫機能が著しく低下するといわれています。
オメガ3系はコレステロールや中性脂肪を減少させ、動脈硬化を予防し、脳の老化予防にも役立ちます。オメガ6系には血圧安定作用がありますが、多く摂りすぎると悪玉・善玉コレステロールを同時に減少させてしまう欠点があるため気をつけたいところです。
オメガ6系は、肉、卵、乳製品などの動物性食品を食べていれば不足することはまずありません。しかし、オメガ3系は魚介類を率先して食べないと摂取できないことを覚えておきたいものです。
