1日1分でも運動する価値はある
メタボを撃退するのに向いているスポーツはなに?
ハアハアと息が上がってしまうようなハードなスポーツをしても、内臓脂肪はあまり落ちないことは前項でも説明しました。ここでは、メタボリックシンドロームを撃退するためには、どのようなスポーツが向いているのか見ていきたいと思います。
まず、無酸素運動になりがちな強度の強いスポーツの代表ですが、テニス、サッカー、ゴルフ、登山、ジョギング、バトミントン、スキーなど。これらのスポーツは、内臓脂肪を効率よく燃やす運動としてはハードすぎて向いていません。
有酸素運動で適度な強度があるスポーツの代表は、ウォーキング、ボウリング、水中ウォーキング、軽いダンス、布団の上げ下ろし、雑巾がけなど。これらの運動は内臓脂肪を効果的に燃やすことができるため、メタボの人には最適な運動といえます。
ウォーキングのような「1 内臓脂肪を効果的に燃やす有酸素運動」の他に、「2 柔軟性を保つストレッチング」と「3 体をひきしめる筋力トレーニング」を組み合わせておこなうことができると、メタボリックシンドロームは早期に解消できるといわれています( 1 〜 3 の詳しいやりかたは次の項目で説明します)。
1 内臓脂肪を効果的に燃やす有酸素運動
有酸素運動のなかで、一番のおすすめがウォーキングです。ウォーキングというと、毎日1万歩以上歩かなければならないといったイメージがありますが、そんなことはありません。毎日ではなく1日置きでもいいですし、週に3日でも内臓脂肪は確実に燃焼します。また、1万歩も歩くためには1時間以上の時間が必要になりますが、少し息が弾む程度であれば、5分でも10分でも20分でも問題ないのです。
つまり、わざわざウォーキングのための時間を作らなくてもいいわけですから、仕事の行き帰りに歩いたり、いつも行くスーパーまで少し遠回りしたりするだけでも大丈夫ということです。
たとえ1日5分でも、歩くことを習慣にしていると、次第に心肺機能が高まり筋肉が鍛えられて、「あれっ?もう少し歩けるかも」と思う日が必ず来ます。そして、「歩くと気持ちがいい」とか「気分がよくなる」と感じはじめたらしめたもの。最初はやっとの思いで5分間歩いていたはずなのに、歩かない日があるとなんだか物足りない気がしてくる。そこから10分、20分、1時間と自分の体の状態にあわせてウォーキングすればいいのです。
義務的にイヤイヤ運動をしても意味がありません。そんな運動のしかたでは苦しいだけで絶対に長続きしません。最初は「気分がのったとき」「やる時間があるとき」「体を動かしたいと感じたとき」に少しでも運動してみてください。毎日、必ず運動しなければならないといった思い込みが、失敗につながるのです。
ただし、1日に歩く歩数は直接ウエストとヒップのサイズに関係し、1日に5000歩以下しか歩かない人は肥満する傾向にあるということだけは覚えておきましょう。
2 柔軟性を保つストレッチング
運動不足で内臓脂肪がたっぷりある人は、体が硬い傾向にあります。体が硬いと「思い立ってウォーキングを始めたら、転んでケガをしてしまった」というこが起こりかねません。そこで、体を柔らかくするために、ウォーキングはじめる前後や入浴後、仕事で肩がコッたなと感じたときなどにストレッチする習慣をつけるといいでしょう。
ストレッチを続けていくうちに体が柔らかくなることはもちろん、全身の血行がよくなってコリがほぐれますし、不整脈や血圧の急上昇、運動時の事故を予防できます。
やりかたは色々ありますが、一番簡単なのは両手を組んで手のひらを返すように頭の上でグッ〜っと上に引っ張るように伸びをするもの。椅子に座ったままおこなってもいいですし、立ち上がって足を肩幅に開いて伸びをすれば全身のストレッチングになります。
体中どこの筋肉でも「伸ばしたいな」と感じた部分をゆっくりと伸ばし、適度に伸びたところで10〜20秒間キープする。これがストレッチングの簡単なコツです。バレリーナのように柔らかい体を目指せとはいいませんが、ストレッチをすると全身の代謝を上がり、エネルギー消費量がアップするため痩せやすい体になるのは間違いありません。
3 体をひきしめる筋力トレーニング
筋肉の量が多いと、ちょっとした運動でも脂肪を効率的に燃やすことができます。しかし、筋肉は20歳をピークに少しずつ衰えるのが普通で、なにも運動していない人は下半身、特に太ももの筋肉から落ちていきます。下半身の筋肉は体の中で大きなボリュームをしめているため、筋肉量が少ないと代謝が悪く痩せにくくなります。
自宅で簡単にできる筋力トレーニングとして、スクワット、カーフレイズ、腹筋、背筋、腕立て伏せなど、1回でも2回でもいいので気が向いたときにやってみましょう。ここでは、簡単にスクワットとカーフレイズの説明をしますが、弾みをつけず、必要以上に力まず、一定の呼吸をしながらゆっくりおこなってください。
スクワットは、まず足を肩幅よりやや広めに開き、腕を頭の後ろで組みます。次に背筋を真直ぐに伸ばして、ゆっくりと腰を下ろしていきます。太ももが水平になるまで腰を下ろせれば理想的ですが、限界点を感じたらすぐに腰を上げてください。この動作を10回程度繰り返しおこなうのが目標です。
カーフレイズは階段など段差がある場所に足の母指球を乗せて立ち、母指球に体重を徐々に乗せながらかかとを押し上げ2〜3秒キープします。次に、かかとをゆっくりと下げ、ふくらはぎを伸ばします。10回程度繰り返しおこなえるようになることを目標にしますが、無理は禁物です。段差がある場所で体がフラフラする場合は、慣れるまで床の上でおこなうようにしてください。また、転倒防止のために必ず壁に手を添えることを忘れずに。
筋力トレーニングもストレッチングと同様、義務的にイヤイヤする必要はありません。自分の筋力がどの程度なのか、最初は遊び半分でやってみてもいいくらいです。1回しかできなかったスクワットが、2回、3回と軽々できるようになる楽しみを見つけてください。
